Chromebookはユーザーに「究極のミニマルさ」を要求しているデバイスです。
「シンプル」「かんたん」とうたわれることが多いChromebookですが、実はユーザー側にとてつもないものを要求しているんですよね。
それが「究極のミニマルさ」です。
「ミニマル」とは、直訳で「最小限」という意味です。
つまり、「究極のミニマルさ」とは、とことん最小限になってね!というメッセージになります。
この点がChromebookの特徴で、これがドンピシャでハマる人にとっては最適なデバイスになるんですよね。
Chromebookが要求している3つの「究極のミニマルさ」
Chromebookが要求している「究極のミニマルさ」は、大きく3つあります。
- もっとシンプルに使ってよ!(=PCの使い方を見直してよ!)
- データはすべてクラウドにあずけてよ!(=ローカルはやめようね!)
- Chromebookは「ただの箱」だからね!(=Googleアカウント操作用デバイスだよ!)
1,もっとシンプルに使ってよ!(=PCの使い方を見直してよ!)
Chromebookは、従来のPCでやっていたようなコテコテな使い方はやめて、もっとシンプルに使ってよ!と、いちばんに要求しています。
ここでいうコテコテとは、「いろんなアプリをインストールする」「専門ソフトを動かす」などです。
ChromebookではChromeブラウザアプリを使うことができますが、それらはブラウザ上で動く仕組みになっているため、厳密にはアプリをインストールしてはいないんですよね。
専用ソフトで言えば、例えばビジネスで主力となっているマイクロソフトOfficeは入っていません。画像・動画編集ソフトもありません。
アプリによっては代替案が用意されているので、それらを活用すれば仕事できるでしょ?それで困ることなんてないよね?という感じです。
- Office → Google系のもの
- ブラウザ → Chromeブラウザ
- 音楽 → Google Playミュージック
最初から用意されている代替案以外は、すべてChromeブラウザアプリやWebサービスで補ってね!という具合です。
つまり、いまあるChromeブラウザアプリ・Webサービスを使えば(だいたいのことが)できるんだから、そもそも使い方を見直してそっちに切り替えて、もっとシンプルに使ってみてよ!というメッセージなんですよね。
2,データはすべてクラウドにあずけてよ!(=ローカルはやめようね!)
従来のPCでは、内蔵ストレージにデータを保存して使うことが多かったと思います。
作成した書類、写真、音楽データ、インターネットからダウンロードしてきたファイルなど、それらを本体内に保存して使っている人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
いまでこそクラウドサービスが流行して「Dropbox」や「Googleドライブ」などが使われるようになりましたが、比率でいったらまだまだPC内へのローカル保存が多そうですよね。
そこにもChromebookはざっくり切り込んでいて、データは最初からすべてクラウド上に預けてね!と要求しています。
Chromebook自体にも内蔵ストレージはありますが、16〜32GB程度に留まっています。ChromeOS自体を入れるため+必要最小限のストレージ容量しかないんですよね。機種によってはSDカードが使えるものもありますが、それも補助的なものです。
Chromebookは最初からGoogleドライブとつながっていて、必要に応じてDropboxなどにもファイルマネージャからシームレスに接続することができます。そういう便利な仕組みを用意しているんだから、もうローカルとか言ってないで、かんたんなんだからクラウドで使ってよ!と要求しているんですよね。
3,Chromebookは「ただの箱」だからね!(=Googleアカウント操作用デバイスだよ!)
Chromebookは従来のPCと同じかたちをしていますが、実質「ただの箱」です。
理由は【2】にあるとおり、基本的にデータをクラウド上に預けているからです。
本体内にあるのは、Chromebookを動かしている「ChromeOS」と、その他必要最小限のファイルのみです。データはクラウド上で、本体にはOS+αしか入っていないので、その他の余計なものは一切入っていません。だからそこにあるのは「ただの箱」なんですよね。
つまり、Chromebookが壊れようとも、紛失してしまおうとも、新しい箱=Chromebookを買ってくればすぐに元通り使えるようになるんです。
これを逆手に取って言うと、仮にひとりで複数台を使っていても、同じGoogleアカウントでログインすれば、どのChromebookでも同じ環境を再現することができます。もっといえば、他人からChromebookを借りてもすぐに自分の環境を再現できます。しかも、本体内にデータを残さないので、貸す方も借りる方も安心して貸し借りすることができるんです。
だから、ひとことで言ってしまえば、Chromebook=Googleアカウント操作用デバイスなんです。
MacやWindowsで同じように貸し借りしようとしたら、データ消去・再セットアップ・アプリインストール・データ復元などの手間がかかってしまうところですが、Chromebookならとんでもなくかんたんにできてしまいます。これこそが最大の強みです。このエコシステムは他にありませんよね。
Chromebookが好きな人・使いこなしている人は「PCのミニマリスト」です。
ぼくの勝手なイメージですが、いま現在Chromebookを活用している人は、PCの使い方をミニマルにできた人なんだと思っています。
それまでの使い方を見直して、余計なものを排除していって、もっともシンプルにできた人がメイン機として快適に使っているのではないでしょうか。
もちろん、そうではない人もたくさんいらっしゃるでしょう。Chromebookが好き!とか、特に困っていないとか。でも、Chromebookを選んで使っている時点で、すでに究極的なミニマルさについての要求に応えることができているんですよ。
そこまで乗れた人には、仮に壊れたり無くしたりしても、そこまで痛手にならないChromebookの「価格の安さ」と「柔軟な使い勝手」という最高のメリットを手にすることができるんです。
このあまりに限定されたデバイスを使いこなすのは、なかなか大変です。それゆえに、買ってみて「なにもできないじゃん」とか「サブ機としても不足」という評判があとからついて回ることが多いんですよね。
でもChromebookは「PCの使い方と、PCに対する考え方を変えてよ!」と言っているのだから、まずはそこに対して納得できるか?または理解できるのか?が最初のハードルです。
そこが腑に落ちて、飲み込めて、うまく乗れた人には新しい世界が開けて行っているのではないでしょうか。