ここ数年、毎年7〜9月のあいだにmacOSのバージョンアップがやってきます。
OSそのものをダウンロードしてからバージョンアップするので、インターネット回線が遅いとダウンロード時間がものすごくかかります。
それをごく普通に「App Store」からアップデートしてもいいのですが、実はここにちょっとした落とし穴があります。
いままで使っていたOSに上書きインストール(普通にダウンロードしてインストール)すると、プログラムサイズがかさんでストレージを圧迫してしまいます。
なぜそうなるのかはわかりませんが、これを回避して、ストレージの空き容量を確保する方法があります。
それがこれから紹介する「 クリーンインストール 」ですが、それの何が良いのか?デメリットはないのか?やり方は?という点についてまとめました。
クリーンインストールの基礎知識とメリット・デメリット・注意点
クリーンインストールとは
MacOSのクリーンインストールとは、ストレージをOSごとフォーマット(=クリーン)して、まっさらな状態になったところに新たにOSをインストールする方法のことを指していいます。
これをやると、MacAPPストアからダウンロードしてやる「上書きインストール」よりも、ストレージの空き容量を確保できます。
空き容量の差はどれくらいあるのか?
ぼくは2016年末に、Appleオンラインストアの整備済み製品から「MacBook Pro 15インチ(Mid2015)」を買いました。
買ったときは、インストールされていたOSが「High Sierra」のふたつ前のバージョン「El Capitan」でした。
購入後すぐに、1つ前のOS「Sierra」にアップデートできたのですが、このとき何も考えずに上書きインストールしたところ、256GBしかない内蔵ストレージの残りがわずか数百MBまで圧迫されてしまいました。
しかも、アップデートしたせいなのか、アプリの立ち上げやファイルを開くのに時間がかかるようになりました。
買ったばっかりでこれはないだろう!と思ってすぐにクリーンインストールを試したところ、ストレージ残容量が237GBまで空いて、パフォーマンスも良くなりました。
上書きしたら残り数百MBしか残らなかったのに、クリーンインストールしたら残り237GBになったので、チャレンジしてよかったです。
クリーンインストールするメリット
クリーンインストールするメリットは、ストレージ容量だけではありません。
- ストレージに余計な過去のOSの破片を残さない(スッキリとインストールできる)
- パフォーマンスが良くなる。
ストレージを一旦完全にフォーマットするので、余計なファイルが一切残りません。
そこに新たにOSをインストールすれば、余計なファイルがないので、OSがファイルを探す手間が省けてスッキリサクサクと動いてくれます。
クリーンインストールのデメリット
良いことづくしのクリーンインストールですが、デメリットもあります。
- 手間と時間がかかる
- ストレージにあるデータを消去(フォーマット)前に避難させる必要がある
- ごくまれに失敗するともとに戻せない可能性がある!
上書きインストールする場合は、APPストアにアクセスすればすぐにできますが、フォーマット→インストールをするので、手間と時間はかかります。
フォーマットするので、保存していたデータを一時的に避難させる必要があります。
そして、これが最も怖いのですが、ごくまれに失敗して復旧できなくなるリスクがあります。
要注意!ごくまれに失敗するともとに戻せない可能性がある!
デメリットの4つめに挙げた「失敗するともとに戻せない可能性がある」ですが、現実に起こりうる現象なので、脅かすつもりはありませんがこう書いておきます。
失敗した場合は、アップルストアに駆け込むか、ジーニアスバーなどで対応してもらうしか方法がないようです。
さいわいぼくはいままで一度も失敗したことがないのでわかりませんが、自分のMacがうんともすんとも言わなくなることを想像すると、やっぱりおそろしいです。
つまり、クリーンインストールは、トラブル時の対応方法がちゃんとわかっている人=上級者向けのインストール方法です。
初〜中級者はこんなおそろしいリスクを取ってわざわざやらなくていいと思いますが、でもやれば確実にパフォーマンスは良くなるので、チャレンジされる方は自己責任であるとはっきり自覚した上で取り組みましょう。
macOS High Sierraのクリーンインストール方法
順を追って説明していきます。
- まずは作業前に必ずバックアップを取る。
- システム終了 → command+R+電源ボタンを同時押しして起動。
- 「日本語」を選択 → 「ディスクユーティリティ」を選択 → 「Macintosh HD」を選択して「消去」をクリック。
- フォーマットは「Mac OS Extended(Journaled)」を選択して消去 → 「完了」をクリック。
- 「ディスクユーティリティ」を閉じる → Wi-Fiに接続 → 「macOSを再インストール」をクリック。
- あとは流れに沿って進める。
1,まずは作業前に必ずバックアップを取る。
データを外付けハードディスクに逃したり、タイムマシンでバックアップを取ります。
万が一が起こっては困りますが、万が一がないともいいきれないので、確実にやっておきましょう。
…そう言いながら意外とやっていない人が多いそうですが、トラブったときのことを考えたら超重要なステップです。
2,システム終了 → command+R+電源ボタンを同時押しして起動
ここからが実際の作業になります。
一旦システム終了して、その後キーボードの「command」「R」「電源ボタン」を同時押しして起動します。
起動したときの「ジャーン」が鳴ったら電源ボタンから指を離して、Appleマークが表示されたら「command」「R」からも指を離します。
3,「日本語」を選択 → 「ディスクユーティリティ」を選択 → 「Macintosh HD」を選択して「消去」をクリック
Appleマークの次に出てくる画面で「日本語」を選択すると、見慣れない画面「macOSユーティリティ」が表示されます。
ここで「ディスクユーティリティ」を選んで、次の画面で「Macintosh HD」を選択して「消去」をクリックします。
4,フォーマットに「APFS」を選択して消去 → 完了をクリック
「“Macintosh HD”を消去しますか?」と聞かれるので、「名前」は特にさわらず、「フォーマット」が「APFS」になっていることを確認して「消去」します。
「消去」が始まると内蔵ストレージのフォーマットが始まります。
そこそこ時間がかかるかと思いますが、しばらくすると終わるので「完了」をクリックします。
余談ですが、この「APFS」はストレージにSSDを搭載しているMacで使える最新のファイルシステムで、データへのアクセス速度が速いと評判です。
最近のMac製品はSSD搭載になっているので、多くの方が最新のファイルシステムを利用できるのではないでしょうか。
5,「ディスクユーティリティ」を閉じる → Wi-Fiに接続 → 「macOSを再インストール」をクリック
これで「ディスクユーティリティ」での作業は終わりなので、閉じます。
次はOSのインストール作業に入るので、ダウンロードできるようにWi-Fiに接続します。
接続したら「macOSユーティリティ」から「macOSを再インストール」を選びます。
6,あとは流れに沿って進める
ここまでくれば、あとはインストールが始まります。
OSのダウンロードが終わってインストールも完了すると、各種設定を聞いてきますので、それに順番に答えていけば、晴れて作業完了です。
お疲れさまでした!
Mac内に不要ファイルを残さずスッキリ使えるのでチャレンジしがいはある
順を追って説明してきましたが、いかがでしたか。
失敗したときのリスクが高いですが、ぼくはそれでもチャレンジしがいのある方法だと思っています。
普段から快適に使えたほうがストレスがたまりませんし、なにより気持ちがいいです。
だから、OSアップデートのたびに毎回必ずチャレンジしています。
失敗すると痛い目を見てしまいますが、成功すればストレージを空っぽにできて精神的にもすっきりできるので、リスクを取ってやる価値はありそうです。
くどいようですが作業は自己責任ですので、それをご理解頂いた上で、興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?