「旅の重さ」が持つ瑞々しさとほろ苦さが心地よい
「ママ、びっくりしないで、泣かないで、落着いてね。そう、わたしは旅に出たの。ただの家出じゃないの、旅に出たのよ。」
母・娘の二人暮らしの家、でもそこは母に会いに来る男の出入りが多い家。窮屈な学校生活。そういうものに嫌気が差し、少女は旅に出ます。
家出した少女は四国を巡礼しながら、様々な人々と出会い交流していきます。
途中出会った旅芸人一座に10日ほど滞在したときには様々な男女のやりとりを経験したり、そこで初めてレズビアンを体験したり。
行き倒れた漁村では、助けてもらった中年の男性との交流をとおして、最後には結婚生活を始めてみたり。
そうやって少女は自分の人生がどれほど軽かったのか、母親が背負っていた重みを感じていきます。
この映画は四国が舞台になっています。
四国の自然の豊かさと、空・海の青さと、そこに人々の交流が加わって、爽やかだけれどしっかりと重みのあるストーリーになっています。
少女が徐々に気が付いていく「重さ」を単なる成長の物語にしていないところに、とても好感が持てました。
でも、見終わったあとの甘酸っぱいようなほろ苦いような感じは、学生時代特有の若々しさと「あの頃」を思い出します。
途中、少女が海で泳いだり、レズビアンを体験するシーンなどで度々肌を露出することがありますが、なんというかいやらしさがまったくないんですよね。それよりも、自然の中で輝く少女の瑞々しさがまぶしいくらいです。
これぞまさに芸術!と感じずにはいれらません。
主題歌を歌う吉田拓郎の「今日までそして明日から」の歌詞がまたピッタリなんですよね。
ああ、なんていい映画なんだろう。
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今までは気にしたことがなかったのですが、さすがにこれだけラインアップがあると、何か見てみたいなぁという気が起きますよね。
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